第1部
納得して治療を受ける

3. 治療について知る

(2) 標準治療と科学的根拠(エビデンス)

「標準」という言葉に、どんな意味を連想しますか? 少し意外かもしれませんが、医療の世界では、現時点でもっとも “上等”ながん治療のことを「標準治療」と呼びます。

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。医療においては、「最先端の治療」がもっとも優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療としてその効果や副作用などを調べる臨床試験で評価を受け、それまでの標準治療より優れていることが証明できて推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。

ただし、すべてのがんで(特に再発後の)標準治療が確立されているわけではありませんし、患者数の少ないがんでは標準治療がないものもあります。それでも多くの治療法には、何らかの「科学的根拠(エビデンス)」があるものです。また、それがない場合は、基本的に標準治療を決めるための試験である「臨床試験」として治療を行うのが通例です。治療方法が示されたときには、必ず担当医に、その治療の科学的根拠の信頼性は高いか、低いかを聞きましょう。

がん以外に心臓の病気や糖尿病などの他の疾患がある場合は、標準治療以外の治療法がよりよい選択となることがあります。標準治療以外の治療法をすすめられたときには、担当医にその理由を聞いてみましょう。

てぃんさぐぬ花や
爪先ちみさちみてぃ
うや言やぐとぅ
ちむみり
(てぃんさぐぬ花)