第2部
よりよい療養生活を
おくるために

5. AYA世代のがんを考える

(1)AYA世代のがん

AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、A世代(Adolescent、15~19歳)とYA世代(Young Adult、20~39歳)を指しています。この年代は、中学生から社会人、子育て世代とライフステージが大きく変化する年代であり、患者さん一人ひとりのニーズに合わせた支援が必要です。

20歳代までにかかるがんは稀なものが多く、原則としてがん診療連携拠点病院を受診することがすすめられます。さらに、15~19歳は小児期のがんと同じ種類であることが多く、心身ともに発達の過程にあるため、小児科で診療を受けることがすすめられています。

AYA世代ではがんの治療前に、担当医からがん治療前に妊娠するために必要な能力(妊孕性)を温存するための「妊孕性温存療法」についての説明があります。担当医と何度も面談をすることや、琉球大学病院「がんと生殖医療カウンセリング外来」で相談することが大切です。

また、親、きょうだい、恋人・パートナー、子どもとの関わりは生活の中で切り離せません。悩んだときには、話しやすい医療者やがん相談支援センターのがん専門相談員に相談してみましょう。

学業の継続や仕事の継続、就職活動など、さまざまな問題への対応がすぐに求められることもあります。そのような方のためにがん相談支援センターがあり、すべての相談に対応していますので、積極的に利用することが重要です。

※県外ですが以下の活動団体があります。
若年性がん患者団体 STAND UP!! ~がん患者には夢がある~