第2部
よりよい療養生活を
おくるために

5. 自宅で療養生活を続ける

体験談6

緩和ケア ~痛みを和らげる治療について~

1年前に、肺腺がん(Ⅳ期)と診断されました。左の股関節と足首に転移し、骨が溶けてしまったため、激痛に歯を食いしばるという状態でした。

病院内のポスターなどで「緩和ケア」という言葉を知ってはいました。しかし「緩和ケアは、楽にこの世を去るための処置」という先入観を持っていました。私は「治る。生きる」と決めていましたので、緩和ケアには縁がないと考えていました。

肺がんの治療は、まず足の骨に放射線を当てる、というところからスタートしました。「痛みを我慢したからといって、病気がよくなるわけではないから」という主治医の説明でした。

放射線療法は功を奏し、地面につけることさえ困難だった足を2週間後には動かせるようになっていたのです。それと同時に希望がわきました。「あれほどの痛みから解放されたのだから、この先の治療もきっとうまくいく」と。

放射線治療をすすめたとき、主治医は「緩和ケア」という言葉を使いませんでした。私が緩和ケアに対してマイナスなイメージを持っていると察していたからかもしれません。しかし、このような体験をしたいま、緩和ケアが治療の大切な一部だと理解できます。痛みがないというだけで、病気や治療に向き合う心構えが、大きく変わります。緩和ケアを積極的に受けて痛みを取りのぞき、にこにこ笑って治療を受けようじゃありませんか。

(30代 男性)

イラスト:医師のひとこと

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「緩和ケアについて理解する」