第3部
お金のことについて

4. 家庭の状況に合う支援を受ける

体験談5

制度を利用して不安を軽くする

私の闘病はシングルマザーとして子供を育てていた30代半ばの頃、左脚の付け根に違和感を覚えたのが始まりでした。診断は100万人に数名という希少がんの骨肉腫。

看護師として働いていたものの歩行がままならなくなり、上司からやんわりと退職の方向へ。そのときは仕事よりも残される子どもの心配、完治できるのかという不安で頭がいっぱいでしたが、仕事と治療の両立をもっと考えればよかったと思います。

長期入院による生活の心配については、高額療養費制度を知って経済的にとても助かりました。入院中は両親が子どもの面倒を見てくれて、安心して治療に専念。学校の担任の先生からも、連絡ノートでこまめに子どもの様子を伝えていただきました。

治療中盤、手術の説明内容に不安を覚えた私は、症例数の多い病院でも話を聞いてみたいと思い、急遽セカンドオピニオンを尋ねることに。担当医は快く紹介状を書いて下さいました。

その結果、途中から転院することになりましたが、以降の治療も功を奏し、がんは寛解へ。今では身体に負担のない仕事を選び、元気に日常生活を送っています。

がんと診断されたときに、お金や制度のこと、仕事と両立する工夫など、正しい情報があれば不安も軽くなり、希望を持って闘病できると思います。みなさまのお手元にこのがんサポートハンドブックが届きますように。

(50代 女性)