第1部
納得して治療を受ける

3. 治療について知る

(6)妊娠の可能性を残す(妊孕性にんようせい温存療法)

薬物療法や放射線治療、手術を受けた一部の患者さんでは、妊娠するために必要な臓器とその機能(=妊孕性)がダメージを受けることが知られています。

そのような可能性のある治療をする場合は、事前に担当医から説明があります。

基本的には、がんの治療を優先しながら、将来妊娠する可能性を残す方法(=妊孕性温存療法)を考えることになりますが、そこにはさまざまな選択肢がありますので、よく担当医と相談して、どうするのかを決めてください。

妊孕性温存療法を受けることを選択した場合は、担当医から琉球大学病院産婦人科「がんと生殖医療カウンセリング」外来へ紹介することになります。

妊孕性温存療法には以下の5つがあり、費用は以下の通りです。

  • ① 胚(受精卵)凍結 35万円
  • ② 未受精卵子凍結 20万円
  • ③ 卵巣組織凍結 40万円
  • ④ 精子凍結 2万5千円
  • ⑤ 精子凍結(精巣内精子採取術) 35万円

1回あたりの費用で通算2回までの利用となります。

いずれも、かなり高額な医療費がかかります。

沖縄県では現在、国の「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」を利用した妊孕性温存治療に係る費用の一部を助成する事業があります。