第1部
納得して治療を受ける
2. 治療について知る
(7)妊娠の可能性を残す(生殖機能の温存)
若い患者さんに対する抗がん剤治療や放射線治療は、精巣や卵巣の働きが悪くなったり、妊娠できなくなったり、20代や30代での閉経などを引き起こす場合があります。
将来妊娠する可能性を残す方法(生殖機能の温存)として、男性は精子凍結、女性では卵子凍結、受精卵凍結および卵巣凍結があります。
■対象
良好ながんの経過が期待でき、治療終了後に子どもを持つことを希望する患者さん。既婚・未婚は問いません。
■紹介方法
がん治療担当医(主治医)に生殖機能の温存についてご相談ください。主治医ががんの状態を評価し、生殖機能の温存について考慮できると判断した場合は、主治医から琉球大学病院産科婦人科「がんと生殖医療カウンセリング」へ紹介します。
■費用について
- 1. がんと生殖カウンセリング外来は保険診療となります。
- 2. 凍結費用は、精子凍結は約2〜3万円、卵子凍結・受精卵凍結が約20~30万円、卵巣凍結は約70~100万円です。
覚えておくとよいこと
月経が始まっていない小児、がん治療開始までに時間的余裕のない若年の方については、臨床研究として卵巣凍結保存を開始することになりました。まずは主治医にご相談ください。
*卵子・受精卵・卵巣凍結のいずれを選択するかは「がんと生殖医療カウンセリング」での相談となります。