第3部
お金のことについて

1. 医療費の負担を減らす

(1)高額療養費制度

イラスト:お金

高額療養費制度は、治療費の自己負担額の限度額を定め、限度額を超える部分を払い戻す制度です。また患者さんは事前に高額療養費限度額適用認定証を申請すると、払い戻しではなく、自己負担額の限度額までの支払いで済ませることもできます。

保険が適用される医療費であれば、入院・通院・在宅医療を問わず対象になります。なお高額療養費制度での自己負担の限度額は、以下の表のように年齢や収入によって異なります。

申請方法・必要な書類は、ご加入の医療保険によって異なります。保険証に記載の保険者にお問い合わせください。国民健康保険は、市町村の担当窓口でご確認ください。

□70歳未満の方の場合

  • ①月毎(1日~月末)の計算となります。(食費や差額ベッド代、医療保険のきかない診断書は含まれません)
  • ②同じ医療機関ごとに計算します。外来(在宅医療を含む)での医療費と入院費、医科と歯科は別々に計算します。
  • ③同じ人が同じ月に、21,000円以上の自己負担額が2件以上あるときは、合わせて計算し、自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。例は以下の図をご覧ください。
  • ④外来での費用は、病院の外の薬局での費用も含みます。
  • ⑤自己負担分を超えた払い戻しがある方には各医療保険より後日、通知があります。
(2023年12月現在)
高額療養費/自己負担限度額(1ヵ月分)
区分 一部負担金の額
(自己負担限度額)
1年間に4回
以上あるとき
4回目から
食事の
標準負担額
(1食)
年収
約1,160万円以上
252,600円+
(医療費-842,000円)×1%
140,100円 460円
年収約770万~
1,160万円
167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円
年収約370万~
約770万円
80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
年収
約370万円未満
57,600円
住民税非課税者 35,400円 24,600円 210円
(90日まで)
160円
(過去12ヵ月で
91日以上)
47歳男性限度額区分:エ(年収約370万円未満)
A病院 A病院 B薬局 C病院
入院して手術 化学療法で外来通院 放射線治療で通院
医療費10割 1,000,000円 50,000円 30,000円 50,000円
自己負担3割 300,000円 15,000円 9,000円 15,000円
※21,000円を超え
ないため合算不可
※合計24,000円

【自己負担限度額】
57,600円

【払い戻される額】
(300,000円+15,000円+9,000円)−57,600円=266,400円

※注意:世帯での合算は各医療保険窓口へご確認ください。

□70歳以上の方の場合(後期高齢者医療の方も含む)

  • ①月毎(1日~月末)の計算となります。(食費や医療保険のきかない診断書は含まれません)
  • ②以下の表のように外来のみの場合と入院+外来の場合で自己負担限度額が異なります。病院、診療所、訪問診療、訪問看護など、かかった医療費のすべてを合算し、自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。
  • ③外来での費用は、病院の外の薬局での費用も含みます。
  • ④払い戻しがある方には各医療保険より後日、通知があります。
(2023年12月現在)
高額療養費/自己負担限度額(1ヵ月分)
適用区分 ひと月の上限額 多数回該当
(1年間に4回以上)
の場合
1食あたりの
標準負担額
外来
(個人ごと)
外来・入院
(世帯)
年収約
1160万円~
252,600円+(医療費-842,000円)×1% 140,100円 460円
年収約770万円
~約1160万円
167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円 460円
年収約370万円
~約770万円
80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円 460円
年収156万円
~約370万円
18,000円
(年144,000円)
57,600円 44,400円 460円
低所得者Ⅱ
住民税非課税世帯
8,000円 24,600円 適用なし 210円
(90日まで)
160円
(過去12ヵ月で91日以上)
低所得者Ⅰ
住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下)
8,000円 15,000円 適用なし 100円