第2部
よりよい療養生活を
おくるために

5. AYA世代のがんを考える

体験談2

周りが必ずついている

私は5歳と15歳の時に白血病を患いました。5歳の時の闘病の記憶はボンヤリとしか覚えていませんが、15歳で再発と告げられたときは、5歳当時のつらかった治療の記憶が蘇り、これから始まる抗がん剤治療への恐怖と不安が私を襲いました。抗がん剤治療に対しては口の中が荒れたり、食べたいものが食べられなかったり、吐き気に襲われたりと、過去の経験から本当に不安でしかなかったのを覚えています。

しかし、担当医の先生のひと言が私を救ってくれました。先生は病室に入ってくると「僕が治すから寝ているだけでいいよ。安心して」と声をかけてくれたのです。その言葉のおかげで私は安心感に包まれ、抗がん剤治療と闘病に対する勇気が湧き、救われた気持ちになりました。

当時は高校受験の進路選択をしている最中だったので、このまま希望校に行くことができないのではないかととても心配でした。また、スポーツを高校でも続けたいと思っていた私は、入院前みたいに思い切りスポーツができるのかな?という心配もありました。しかし、母や院内学級の先生、看護師さんが親身になって進路のことも協力してくれて、治療に専念することができました。時には、看護師さんが勤務後に受験対策を一緒にやってくれたりして、本当に周りに恵まれているなと思いました。

思春期ということもあり、他の人に悩みを話したくないと思うときもありましたが、つらくなったら看護師さんや担当医の先生に話してみると、とても楽になりました。お世話になった周囲の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

現在は、幼い頃から憧れていた職業に就き、日々奮闘しています。

(20代 男性)